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会計ソフトを選ぶポイントと各ソフトの比較
これから起業をする人にとって、会計業務は時間と手間のかかる作業です。そのため、自動化や効率化を実現できる会計ソフトは非常に重要です。この記事では、主要なクラウド会計ソフトの特徴やメリット・デメリット、費用感、そして便利な機能について比較しながら、起業家が選ぶべきポイントを解説します。
1. freee会計
freee会計は、日本国内で広く使用されているクラウド型会計ソフトです。特に個人事業主や中小企業に人気があり、スタートアップにも支持されています。銀行口座やクレジットカードとの自動連携に優れており、経理初心者でも直感的に使える操作性が魅力です。また、AIを活用した自動仕訳機能が搭載されており、時間短縮と正確な処理が可能です。
主な対象:
- 個人事業主、中小企業、スタートアップ
メリット:
- 銀行口座やクレジットカードとの自動連携が強力で、インターフェースが直感的で使いやすい。
- インボイスや電子帳簿保存にも対応。
- 自動仕訳機能が充実しており、AIによる学習機能が搭載されているため、使うほど仕訳精度が向上。
デメリット:
- 大企業向けの機能は少ない。
- 多機能すぎて、初心者には最初の設定が難しいと感じることがある。
費用感:
- スタータープランは月額約2,000円から。企業規模や機能に応じてプランがアップグレード可能。
2. 弥生会計オンライン
https://www.yayoi-kk.co.jp/kaikei
弥生会計オンラインは、日本国内で最も有名な会計ソフトの一つで、特に長年の歴史を持つ老舗ブランドです。会計業務の基本機能がしっかりと網羅されており、初心者でも安心して使える操作感があります。銀行口座やクレジットカードの自動連携もスムーズで、経理のデジタル化をサポートします。中小企業向けに設計されており、信頼性が高いのが特徴です。
主な対象:
- 中小企業、個人事業主
メリット:
- 長年の信頼と実績があり、会計初心者にも親しみやすい操作感。
- 銀行口座やクレジットカード連携もスムーズ。
- 電子帳簿保存法やインボイス対応も充実。
デメリット:
- 自動仕訳機能は他社製品と比較するとやや劣る。
- 複雑な会計処理や経費精算に対応するには追加の拡張が必要な場合がある。
費用感:
- 月額約1,500円から。年額プランも選べる。
3. ジョブカン会計
ジョブカン会計は、ジョブカンシリーズの一部であり、他のジョブカン製品(給与管理や勤怠管理など)とシームレスに連携できるクラウド型会計ソフトです。中小企業向けで、全体の業務効率を向上させることができる設計になっています。AIによる自動仕訳機能が搭載されており、作業の自動化が進んでいる点が特徴です。
主な対象:
- 中小企業、ジョブカンユーザー
メリット:
- 他のジョブカンシリーズとの連携がスムーズで、業務全体の効率化が可能。
- 自動仕訳やAI学習機能も充実。
デメリット:
- 会計ソフト単独での機能は他と比べると少し限定的。
費用感:
- 月額約2,000円から。
4. Oracle Netsuite
https://www.netsuite.co.jp/products/erp/financial-management/finance-accounting.shtml
Oracle Netsuiteは、グローバルに展開する企業向けの統合型ERPシステムで、会計だけでなく販売管理、在庫管理、人事などビジネス全体のプロセスを一元管理できるのが特徴です。非常に高度な機能が揃っており、AIによる予測分析や自動化機能が充実しています。特に多国籍企業や複雑な財務管理が必要な大企業に適しています。
主な対象:
- 大企業、グローバル企業
メリット:
- グローバル企業向けの多機能なERPシステムで、会計業務にとどまらず広範なビジネスプロセスを管理可能。
- AIによる高度な自動仕訳や予測分析が可能。
デメリット:
- 中小企業やスタートアップにはオーバースペックで、費用も高め。
- 導入やカスタマイズに時間とコストがかかる。
費用感:
- カスタマイズ次第で大幅に変動するが、数十万円から。
5. 勘定奉行クラウド
https://www.obc.co.jp/bugyo-cloud/kanjo
勘定奉行クラウドは、株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)が提供する日本企業向けのクラウド会計ソフトです。特に法人税や消費税、給与計算など、日本特有の会計ルールや税制に対応しており、中堅企業や大企業に支持されています。また、電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応しており、クラウド上での業務効率化を推進します。
主な対象:
- 中堅企業、大企業
メリット:
- 日本国内向けの中堅企業向け機能が充実。法人税や消費税の計算も得意。
- 電子帳簿保存やインボイス対応はもちろん、給与計算などの他業務との連携もスムーズ。
デメリット:
- 中小企業向けにしては若干高価で、スタートアップには不向き。
費用感:
- 月額約5,000円から。
6. マネーフォワードクラウド
マネーフォワードクラウドは、個人事業主や中小企業向けに特化したクラウド会計ソフトです。銀行やクレジットカードとの連携機能が強力で、経理の自動化が進んでおり、手間を省ける点が評価されています。また、インボイス対応や電子帳簿保存機能も搭載されており、シンプルな操作性と豊富な機能が魅力です。
主な対象:
- 個人事業主、中小企業
メリット:
- 銀行やクレジットカードとの連携が強力で、会計業務の自動化が進んでいる。
- 自動仕訳機能が優れており、電子帳簿保存やインボイス対応も万全。
デメリット:
- 個人事業主や小規模事業者向けの機能が中心。
- 高度な会計処理には向かない。
費用感:
- 月額約2,000円から。
7. クラウド発展会計
クラウド発展会計は、中小企業向けに特化したクラウド型会計ソフトで、操作がシンプルな点が特徴です。銀行口座やクレジットカードの自動連携はもちろん、インボイスや電子帳簿保存にも対応しています。比較的低価格で導入でき、会計業務をシンプルにしたい企業に向いています。
主な対象:
- 中小企業、コストを抑えたい企業
メリット:
- 中小企業向けのクラウド会計システムで、操作がシンプル。
- インボイス対応や電子帳簿保存が可能。
デメリット:
- 自動仕訳やAI機能は少し弱い。
費用感:
- 月額約3,000円から。
8. ちまたの会計
ちまたの会計は、小規模ビジネスや任意団体・コミュニティ団体・各種イベントの会計係向けのリーズナブルな会計ソフトです。特にシンプルな操作性が特徴で、初心者でも扱いやすい設計になっています。自動化機能は限られているものの、予算を抑えたい小規模事業者に人気です。
主な対象:
- 小規模事業者、個人事業主、任意団体・コミュニティ団体・各種イベントの会計係
メリット:
- 小規模ビジネス向けに特化しており、価格が非常にリーズナブル。
デメリット:
- 自動化機能が少なく、手動での処理が多い。
費用感:
- 無料
9. かんたんクラウド会計
https://www.mjs.co.jp/products/kantan-cloud-c/kaikei
かんたんクラウド会計は、その名の通り、シンプルでわかりやすい操作が魅力の会計ソフトです。主に個人事業主や小規模ビジネス向けに設計されており、基本的な銀行やクレジットカードの連携が可能です。高度な機能は少ないものの、会計に必要な基本機能が揃っています。
主な対象:
- 個人事業主、小規模ビジネス
メリット:
- シンプルでわかりやすく、個人事業主や小規模ビジネス向け。
- クレジットカードや銀行口座との連携が可能。
デメリット:
- 自動化やAI機能が限定的。
費用感:
- 月額約1,500円から。
機能一覧比較表(簡易版)
ソフト名 | 銀行 クレジットカード 自動連携 | インボイス対応 | 電子帳簿保存対応 | 経費精算 | AI 自動仕訳 | 決算 申告 | 費用 (年間) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
会計freee | 〇 | 〇 | 〇 | スタータープラン以上 | 〇 | オプション購入(32,780円/年)で自動連携 | 約39,336円~ |
弥生会計オンライン | 〇 | 〇 | 〇 | × | △ | 別の申告ソフトが必要 | 約30,580円~ |
ジョブカン会計 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | 別の申告ソフトが必要 | 約33,000円~ |
Oracle Netsuite | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | 別の申告ソフトが必要 | 数十万円~ |
勘定奉行クラウド | 〇 | 〇 | 〇 | 楽楽精算(33,000円~/月)と 連携可能 | △ | オプション購入で自動連携 | 約93,000円~ |
マネーフォワードクラウド | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 別の申告ソフトが必要 | 約39,336円~ |
クラウド発展会計 | 〇 | 〇 | 〇 | × | △ | 別の申告ソフトが必要 | 約105,600円~ |
ちまたの会計 | × | × | × | × | × | 別の申告ソフトが必要 | 無料 |
かんたんクラウド会計 | 〇 | 〇 | 〇 | × | × | 別の申告ソフトが必要 | 約19,800円~ |
※詳細な機能や費用感については各表のリンクに掲載
まとめ
起業時の会計ソフト選びでは、自社の業務規模や成長速度に応じた機能と価格を検討することが重要です。例えば、スタートアップや個人事業主には「会計freee」や「マネーフォワードクラウド」が手軽で便利な選択肢ですが、中堅企業以上で高度な管理機能が必要であれば「Oracle Netsuite」や「勘定奉行クラウド」が適しているでしょう。自動化機能や連携のスムーズさが選択の鍵となるため、自社のニーズに合った会計ソフトを選びましょう。
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